20 12月

2020年12月例会より

かるがも俳句会 2020年12月17日(木)、石神井庁舎


手仕事も義母にかなはぬちゃんちゃんこ

冬めくや空の深さとふところと

病棟のしじまときどき虎落笛

痴話喧嘩そ知らぬふりの炬燵猫

熱燗に妻の耳たぶ借りにけり

人も木も素描のやうな枯木道

負け組の猫も空家で日向ぼこ

暁の更地突き上げ霜柱

冬日和猫はざるなか夢のなか

木守柿夕日の色となりにけり

故郷の友息災か冬茜

ひと皮を剥ぎて真白き根深かな

旋回の影も群なり冬の鳥

姉よりの添書きのありきりたんぽ

悔ゆること無しと強気に除夜の鐘

長旅の終の滑翔小白鳥

外山 正枝

安藤 よしたか

井筒 亨

原口 久恵

水村 洋子

千味 幸太郎

猪越 紀子

鳥居 とく

長束 瑠美子

森永 順子

渡部 良子

熊谷 良子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


この年を振り返るとコロナのことばかり。あえて昔の思い出を。ある母子のことです。母親は何か深く思うことがあったのでしょう、学生の頃に四国巡礼に・・・。今の若い人の中には御朱印を収集して旅する人もいますが、当時はその年頃のお遍路さんは珍しかったようです。彼女は後に幼い子らを残してこの世を去りましたが、その遺児の一人は成長して米国の大学に入り、その夏休みに(旧暦秋)同じように遍路に出ました。私は「血」を感じます。若い男性のお遍路は昔の母親以上に同行の目を引いたのでしょうし、かの母親の美貌も受け継いでいたろうと、次の句が思い浮かびました。「同行に美青年あり秋遍路」(紀子)