かるがも俳句会 平成28年3月17日(木)、石神井庁舎会議室
- とつときの顔並びをり卒園児
- 森永 順子
- 佐保姫の息吹のごとき風のあり
- 渡部 良子
- 夫逝くと友の絵手紙蕗のたう
- 原田 寿恵
- この一滴末は大河に春の水
- 高橋 武司
- 桜湯のほどけるまでの憂ひかな
- 宮田 敏子
- 窯出しの茶碗の温み風光る
- 馬場 美智子
- 沈丁花アパート去る女来たる女
- 柴田 ミチ子
- 月包む春曙のみるく色
- 野々村 桂
- 春暁やいく度の夢に目覚めけり
- 鈴木 芳江
- 紅梅の明るさにをり曇空
- 杉本 康子
- 年を経て春の心の句会かな
- 伊賀 篤志
- 囀りの膨らみてゆく繁みかな
- 堀江 康子
- 城跡に姫塚殿塚青き踏む
- 国岡 博子
- 石垣の石のぬくみや地虫出づ
- 今村 たかし
勿忘草は、川辺や湿地帯に咲く可憐な花で晩春の季語である。
・・・・・わすれなぐさ [ウイルヘルム・アレント(独)作、上田敏訳]・・・・・
ながれのきしのひともとは みそらのいろのみずあさぎ
なみことごとくくちづけし はたことごとくわすれゆく
今では日本各地で見られる花だが、ほとんどはヨーロッパ原産のノバラワスレナグサが輸入、交配されて広まったものである。ただ、元々日本に自生していたエゾムラサキが、根室と松本盆地にのみ自生しており、日本の勿忘草としてミヤマワスレナグサ又はムラサキグサと呼ばれているそうである。(以下来月へ続く、)W.良子