かるがも俳句会 平成27年10月15日(木)、石神井公園区民交流センター
- 逆上がりくるりと釣瓶落しかな
- 森永 順子
- 歩の狭き母の肩追ふ秋の蝶
- 宮田 敏子
- 六甲の風まつすぐに秋の暮
- 杉本 康子
- よういどんりす組の僕二等賞
- 原田 寿恵
- 訪へば門に灯のつく秋の暮
- 熊谷 良子
- 再会の友が地元の芋煮汁
- 渡部 良子
- 秋の灯や夫戻るまで句集読む
- 馬場 美智子
- 新米やはこぶ郷里の顔と香(かお)
- 鈴木 芳江
- 余生こそ心無罣礙と吾亦紅
- 高橋 武司
- コスモスを裾の飾りに孤峰富士
- 堀江 康子
- 竜淵に潜むや利根川に渦生れて
- 国岡 博子
- 石を打つ筧の音や秋彼岸
- 今村 たかし
俳句を始めて間もない頃、私はふとこう考えた。「仮に入院生活をする時があるとして、長い時間を持て余すことはなかろう」と。「仮に見舞い人が少なかろうとも、1日を持て余すこともなかろう」と。病院生活の時間の長さは半端ではないことに照らして、軽率にもそのように思ったものだった。しかし、日常に溢れる美しい景色、逞しい生命の営みに注意を向けて句作に奮闘するうちに、実際病に臥す私は果たして句作など出来ようか。ともあれ今は、純粋に俳句を学び楽しんでいたい。同時に、近頃は句作りが楽しくなっていることが有難く嬉しいことである。(芳江)