2015年12月例会より

例会

かるがも俳句会 平成27年12月17日(木)、石神井公園区民交流センター 




  • ちぐはぐな母との会話冬温し
  • 宮田 敏子
  • 手折りたる枯菊の香の消へやらず
  • 熊谷 良子
  • 雪吊の雪なき景に見とれたる
  • 馬場 美智子
  • 寒昴故郷はすでに雪ならむ
  • 渡部 良子
  • 針の目に糸の通らぬ冬日和
  • 鈴木 芳江
  • 冬うらら新札揃へポチ袋
  • 原田 寿恵
  • 湯豆腐を踊らせ二人のいまの幸
  • 堀江 康子
  • 揺り上げて水揺り上げて紙漉女
  • 国岡 博子
  • 仮の世に歌うて遊ぶ小春かな
  • 今村 たかし



 ー悩んだとき、心が風邪をひきそうなときは『猫に聞いてみよう!』ーという広告に引かれこの本を手にする。本は飼い猫たちと違い、自由であっても厳しい現実と対峙しながら日々を生きる「ソト猫」の写真と、アドラー、ユング、そしてフロイトの名言を組み合わせた一冊で、まさに『猫に名言』集だった。知の巨人達の名言を、更には心理カウンセラーの清田予紀氏が解り易く解説しているので、愛らしく逞しい外猫の姿を鏡として、落ち込んだとき悩めるとき、読めばきっと元気をもらえるはず。でも俳句という心を癒すに足る、手段を持つ私達は、好きな動物の句を詠む事でそれを解消出来ればもっと嬉しい。どちらかと言えば猫派の私は、
 生れてはや仔猫の爪に魔性見ゆ
 乳足りて仔猫らはたと寝に落つる(博子)