かるがも俳句会 平成29年4月20日(木)、石神井公園区民交流センター
- ピアニカを吹く少年や風光る
- 千味 幸太郎
- 余生などなき父の忌や蜆汁
- 宮田 敏子
- 亡き妻は四国の旅か涅槃西風
- 伊賀 篤志
- 教へ子が競いて摘みし土筆煮る
- 猪越 紀子
- 幸せはふとした時に菫草
- 森永 順子
- 佐保姫の裳裾の触れし野山かな
- 渡部 良子
- 腰下すベンチの温み花疲れ
- 馬場 美智子
- 本心を四月の嘘に隠しけり
- 伊勢 史郎
- 出迎への母に甘ゆる新入生
- 熊谷 良子
- 幼子とおはぎまるめる彼岸かな
- 倉島 恒子
- 清明や新人スーツの衿白く
- 柴田 ミチ子
- 風薫る媼翁のコーラスに
- 鳥居 とく
- 父母の亡き庭で集めし桜蕊
- 鈴木 芳江
- さらさらと花びら走る朝の路
- 長束 瑠美子
- 煩悩に数へあまたの除夜の鐘
- 丸田 勝弘
- 花の雲母を施設に預け来て
- 堀江 康子
- 老幹に花芽を噴けるさくらかな
- 国岡 博子
- 花吹雪また花吹雪過疎の村
- 今村 たかし
最近豊島区の健康長寿医療センターへ行く機会があり、ロビーに座っていると、八十歳過ぎの疲れ果てた感じの妻が足を引き摺り夫の車椅子を押して来た。私の隣に座った途端に居眠りを始め、其の横顔は深い皺が刻まれて顔色が悪い。夫の方が顔色も良く本当に元気そうに見える。この様なカップルが多く、これが老々介護の現実です。都会に住む私達には核家族化が進み、今は長寿天国と成ってこの悲劇と成ったのでしょう。老々介護の現実を見て、女性はもっと自分自身を大切にして健康に生きるべし、とつくづく思う昨今です。(ミチ子)