かるがも俳句会 平成30年12月20日(木)、石神井公園区民交流センター
- 肝心の事は言はずに懐手
- 高橋 武司
- 先客の猫の隣に日向ぼこ
- 森永 順子
- 口閉ざす少年の眼や寒昴
- 千味 幸太郎
- 小春日を浴びる地蔵の赤帽子
- 鳥居 とく
- 独居の心もとなく根深汁
- 熊谷 良子
- 病院の待合室や日脚伸ぶ
- 長束 瑠美子
- 侘助や一輪挿しの備前焼
- 倉島 恒子
- 日向ぼこわが人生の棚おろし
- 渡部 良子
- 主なき庭の白菊風の音
- 野々村 桂
- 病室の父や窓辺に寒昴
- 猪越 紀子
- 干し大根くの字に味の深みたる
- 宮田 敏子
- 湯豆腐にのせておかかの身悶えす
- 堀江 康子
- 存へて忙しき日々や冬至粥
- 今村 たかし
忙しなく巡った季節を振り返る・・・新たに出逢った人や本、自分。読もうと買って未読のままに年越しする本。店のお客様より預かる本も多く、先にそちらを詠まねばと・・・そこで思いがけなく心に残るほんとの出逢いもあり、これは作者の魂とのご縁なのだろうと思う。その一つ、久坂葉子作品集(1931~1953.12/31)戦後を多感な年頃で迎え、21才の若さで自ら命を絶つ。アレグロな音の世界に魅きこまれた。全てほっぽって読書したい年の瀬。大好きな子規の句。「人間を笑ふが如し年の暮れ(子規)」(桂)