かるがも俳句会 平成30年7月19日(木)、石神井公園区民交流センター
- 蟻の列石の形に逆らはず
- 千味 幸太郎
- 人間も猫もくの字の昼寝かな
- 森永 順子
- 遠く聞く祭囃子を旅の宿
- 高橋 武司
- あさがほの鉢持ち帰る終業日
- 熊谷 良子
- 夏草の八島湿原いざ一歩
- 鈴木 芳江
- 窓越しに「いってきま~す」と麦藁帽
- 倉島 恒子
- 炎天の工事現場の声激し
- 杉本 康子
- 背泳や満天の星降りそそぐ
- 猪越 紀子
- 夏休み隣家で聞ゆ子等の声
- 長束 瑠美子
- 強面の妹背が愛でる目高かな
- 鳥居 とく
- 宵宮の三本締めや神酒所前
- 沖田 顫童
- 花みかんラジオに流る歌謡曲
- 馬場 美智子
- 昼下がり嬉し恥かしソーダ水
- 山田 輝子
- 夕焼やこの道どこまで往けるやら
- 加藤 悠児
- 水遊び子供らのくつ陽を浴びて
- 中村 あさ子
- 百あれば百の音色や南部鈴
- 宮田 敏子
- 醜草も型よく活けて夏座敷
- 堀江 康子
- 腰に子の貼り付く母の大暑かな
- 今村 たかし
「一を聞いて十を知る」という諺がありますが、なかなかそうはゆかないものです。これは、聞く方が賢い人の話で、よほど相手の事情とか習慣にに馴染んでいての話。しかし、「俳句」もよく似たもので「十七音」と短い文章で詠者は思いを伝えんとしますがその句を詠む側に詠者の意図が伝わらない事が間々あります。長々と説明せずに、一言一文を以て意図する情景、状況、とくに思いを伝えることの難しさを「俳句」は教えてくれます。「一を言って十を知らせる」工夫に頭を悩まされるこの頃です(幸太郎)