かるがも俳句会 2020年2月20日(木)、石神井公園区民交流センター
- のら猫のしっぽ天指し冬うらら
- 森永 順子
- 五千歩の日課達成花菜風
- 原口 久恵
- 子が愚痴を聞いてくれをり春炬燵
- 野々村 桂
- 春昼の雨に声あり理髪店
- 千味 幸太郎
- 春めいて軽く聞こゆる洗濯機
- 水村 洋子
- 深呼吸してみる今朝の暖かさ
- 渡部 良子
- 畑を打つ遠近よりの鳥の声
- 元田 咲子
- 雪吊の雪待つ松に独り言
- 鳥居 とく
- 通院や春は名のみと口ずさむ
- 安藤 よしたか
- 口元のゆるぶ露座仏春来る
- 熊谷 良子
- 大根のゆず田楽や猪口二つ
- 長束 瑠美子
- 老いぬれど明日思ひをり蕗の薹
- 井筒 亨
- 背をかがめ男の児とワルツ春の風
- 中村 麻子
- 晴れわたる牡鹿三山鳶の笛
- 宮田 敏子
- 細雪下山の僧の笠の列
- 堀江 康子
- 羽ばたきの千切れんほどに春の鴨
- 今村 たかし
自宅から近いということもあり、ちひろ美術館によく出かける。何も予定のない日や何やら重い物が溜まっていると感じる気分の日など。展示室を廻る前に、生前のアトリエを再現した場所にある“ちひろの言葉”を読む。中庭を囲うように大きなガラス窓があり、雨の日などそれをつたう雨粒を眺めているのが好きだ。庭には季節の花があり、カフェのテーブルにも小さな花瓶に野花が飾られている。心地よい空間を感じて帰路についた。(麻子)