かるがも俳句会 2020年4月30日(木)、通信句会
今月は新型コロナウィルスの影響で例会に代わり通信句会としました。
- 囀りやおにぎりにのせ舌にのせ
- 青木 利子
- 花は葉に一期一会の友偲ぶ
- 元田 咲子
- 積る気は端から無いよ牡丹雪
- 安藤 よしたか
- ウイルスにただただ籠る四月かな
- 井筒 亨
- 笑っても泣いてもひとり水中花
- 原口 久恵
- 紙のぼり色紙の空に泳ぎをり
- 水村 洋子
- うららかやのこぎりの音遠くより
- 中村 麻子
- 無明なる吾に眩き白木槿
- 千味 幸太郎
- 小言いふ母うとうとと春炬燵
- 猪越 紀子
- 満開の塀の向ふの躑躅かな
- 倉島 恒子
- 蔓折れてなほ鼻眼鏡花曇り
- 鳥居 とく
- 砂浜を駆くる子供ら春日射し
- 長束 瑠美子
- 初蝶の翅やすめをり石畳
- 熊谷 良子
- つつじ咲く花のバトンを受け継いで
- 渡部 良子
- しばらくは問はず語らず新茶の香
- 森永 順子
- 独楽回るやうに車窓の春はゆく
- 野々村 桂
- 鳰を追ふ鳰水走り春の恋
- 今村 たかし
桜は春を告げ、小鳥はさえずり、花見酒も見送るしかない辞世。全国的な休校措置が取られ、1ヶ月半が過ぎた。通学する子供たちの声が聞こえないのもさみしい。ウイルスに抗して、外出を控えて、閉じこもっている私も足腰の齢を感じる。ウイルスの感染数も気にはなる。まだ減らないんだと。先が見えない日々に季節は少し進み、我慢の一か月半を過ぎる頃、どう変わっているだろうか。外出を控えて、見上げる花が散り、人々の困惑が伝わり、生気が枯れることがないように祈る。(敏子)