2020年9月例会より
かるがも俳句会 2020年9月17日(木)、石神井庁舎
露草や夜半の雫に星妊む 向き合ふも背中合はせも草の花 虫の音に満たされてをり満ちてをり ごきぶりめ書架に侵入書斎派か 単線の頒つ花野や暮れ初めぬ 箸一善添へて仏へ茸飯 墓洗ふ手桶に水をたっぷりと 秋の夕窓辺の猫と目が合いて どこまでも行ける気がして秋の空 万葉の空を飛びをり赤とんぼ 自転車の何時もの帰路や鉦叩 おだやかな和尚の法話秋扇 鰯雲妙義山の巌を欹てり 落蝉の来世にたたむ手足かな |
青木 利子 元田 咲子 安藤 よしたか 井筒 亨 原口 久恵 千味 幸太郎 鳥居 とく 長束 瑠美子 森永 順子 渡部 良子 野々村 桂 宮田 敏子 堀江 康子 今村 たかし |
9月13日に石神井松の風文化館で菊池寛についての講演会があり、お孫さんの菊池夏樹さんから色々楽しいエピソードを紹介されました。菊池寛は雑誌「文藝春秋」を創刊し、今では作家の登竜門とされている芥川賞と直木賞を創られました。芥川龍之介さんとは一高時代の同級生で交流が続いたそうです。菊池家は江戸時代に四国高松藩で朱子学をお殿様に講義する学者さんでしたが、明治に入り藩がなくなり大変困窮されました。8人兄弟の4番目とかで、遠い親戚のおばを頼って東京に来ました。練馬との関係は、菊池寛が東京で成功した後、昭和9年別邸を上石神井に夫人のために建てたとのことで、現在練馬ゆかりの作家の一人となっております。今その屋敷跡は新青梅街道沿いの練馬区立扇山公園になっています。(瑠美子)