かるがも俳句会 2022年10月20日(木)、石神井庁舎
- 秋澄むやベンチに肩寄す老二人
- 多田 克己
- いくたびも読み返す文月仄か
- 中村 麻子
- 往還に角打ち見つけ秋の里
- 早川 厚
- 仏壇に朝日さしこむ秋うらら
- 外山 正枝
- 山蘆忌の四囲の連山しづかなり
- 原口 久恵
- 仰向けの案山子大の字青き空
- 井筒 亨
- 秋高し白球一打は弧を描き
- 水村 洋子
- 蜻蛉の影透き通る石の上
- 千味 幸太郎
- ファインダーの富士を横切る秋茜
- 猪越 紀子
- 野分去り延命地蔵に五円玉
- 鳥居 とく
- 虫の声そろそろ人は夢の中
- 長束 瑠美子
- 彼岸花ふいに咲きけりそこかしこ
- 渡部 良子
- 橋守の地蔵を飾るからす瓜
- 熊谷 良子
- 手紙出す金木犀の香に押され
- 野々村 桂
- 淋しくて人恋しくて月見酒
- 堀江 康子
- 大地守る案山子に雨のとどめなし
- 今村 たかし
(次回例会は11月17日、石神井庁舎5階第3会議室です)
最近は新聞の小さな記事を音読しております。気になった一つを紹介します。高校から7年間新聞配達をしていた青年の話です。ある家の女性は、元旦にだけ玄関で待っていて「大変だね」と手にお年玉をのせてくれました。今春、彼は初任給で買った菓子折りを手に挨拶に来たが、彼女は入院中でした。娘さんから青年の話を聞いたお母さんは、涙をこぼして喜んだそうです。夜明け前から働く苦学生と優しい心遣いで支えた女性の心温まる記事でした。(正枝)