22 11月

2020年11月例会より

かるがも俳句会 2020年11月19日(木)、石神井庁舎


口いっぱい秋をほほばる栗おこは

水洟にじゃまをされつつ句集読む

湯豆腐の湯気に隠すや恋心

放課後の庭に落葉の自己主張

父の墓にわが影映る寒さかな

身の上を語り合ふ夜や秋遍路

ひよどりの群れや庭木のうめもどき

お会式や僧侶の読経とシンバルと

野菊咲く空は鰯の大群だ

野仏に供ふ山栗ひとつかみ

大根と湯気の中にて客を待つ

綿飴を孫と分け合ふ三の酉

散紅葉阿弥陀堂まで色重ね

児の影のはや少年に冬茜

外山 正枝

安藤 よしたか

原田 久恵

水村 洋子

千味 幸太郎

猪越 紀子

鳥居 とく

長束 瑠美子

渡部 良子

熊谷 良子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


11月22日は「いい夫婦の日」である。余暇開発センター(現在の日本生産性本部余暇創研)が1988(昭和63)年に制定した。「いい(11)ふうふ(22)」の語呂合せと、11月1日~30日の「ゆとり創造月間」の期間中であることから決めた。これ以外にも夫婦に関連する記念日としては、よい夫婦の日 4月22日、夫婦の日 2月2日、夫婦の日 毎月22日、などがある。つまり夫婦とは「いい」又は「よい」ものなのだろうか?それとも日本の夫婦はあまり仲がよくないからキャンぺーを通じていい又はよい夫婦になれという事であろうか?何れにせよ子育てを終えた我々夫婦としては、互いにあまり干渉せず、GOTOキャンペーンにも加わらず、時に静かにお茶を飲み、近所を散歩して、一日一日を無事に過ごせることがいい夫婦の日であると、私は思っている。(たかし)

17 10月

2020年10月例会より

かるがも俳句会 2020年10月15日(木)、石神井庁舎


農に生き農に生かされ秋耕す

積み上ぐる団子不揃ひ月まつる

払暁や素足の床の冬近し

新米や友の癖字の宅急便

盗人萩つけて訪ひしや業平も

故郷の夕日を分つ赤とんぼ

日常を十七文字にこぼれ萩

雨音と過ごす一日や杜鵑

絵手紙にりんごの紅を描きあぐね

木の実落おつ後にたれかゐるやうな

一人居の小半酒や十三夜

死ぬときは胸のかざりに曼殊沙華

元田 咲子

原田 久恵

水村 洋子

千味 幸太郎

猪越 紀子

鳥居 とく

長束 瑠美子

森永 順子

渡部 良子

熊谷 良子

堀江 康子

今村 たかし


新聞にこの秋は菊を飾りましょう。カラフルな洋菊をハレの日も普段使いにと多彩な菊が並んだ日比谷花壇のカラーページを見ながら思いました。そろそろ気分を変えて楽しいみましょうと軽く背を叩かれた気になりました。そして、以前勤めていた雪深い草津でも雪解けと共に次々と花を咲かせます。近くの山を散策したり秋の紅葉を楽しみながら語り合ったものです。今年の楽しみは秋の風物詩で関東一という浅草寺境内の菊花展を見たいと決めていました。残念ながらどこもここも自粛の風に流れてしまいました。どれだけの人が戸惑い困っていることでしょう。何事もなく普段と変わりなく生活できることをありがたく思う昨今です。私は俳句の人との出会い、各々の近況に共感したり思いを巡らせ年を忘れさせてもらっています。(とく)

20 9月

2020年9月例会より

かるがも俳句会 2020年9月17日(木)、石神井庁舎


露草や夜半の雫に星妊む

向き合ふも背中合はせも草の花

虫の音に満たされてをり満ちてをり

ごきぶりめ書架に侵入書斎派か

単線の頒つ花野や暮れ初めぬ

箸一善添へて仏へ茸飯

墓洗ふ手桶に水をたっぷりと

秋の夕窓辺の猫と目が合いて

どこまでも行ける気がして秋の空

万葉の空を飛びをり赤とんぼ

自転車の何時もの帰路や鉦叩

おだやかな和尚の法話秋扇

鰯雲妙義山の巌を欹てり

落蝉の来世にたたむ手足かな

青木 利子

元田 咲子

安藤 よしたか

井筒 亨

原口 久恵

千味 幸太郎

鳥居 とく

長束 瑠美子

森永 順子

渡部 良子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


9月13日に石神井松の風文化館で菊池寛についての講演会があり、お孫さんの菊池夏樹さんから色々楽しいエピソードを紹介されました。菊池寛は雑誌「文藝春秋」を創刊し、今では作家の登竜門とされている芥川賞と直木賞を創られました。芥川龍之介さんとは一高時代の同級生で交流が続いたそうです。菊池家は江戸時代に四国高松藩で朱子学をお殿様に講義する学者さんでしたが、明治に入り藩がなくなり大変困窮されました。8人兄弟の4番目とかで、遠い親戚のおばを頼って東京に来ました。練馬との関係は、菊池寛が東京で成功した後、昭和9年別邸を上石神井に夫人のために建てたとのことで、現在練馬ゆかりの作家の一人となっております。今その屋敷跡は新青梅街道沿いの練馬区立扇山公園になっています。(瑠美子)

25 8月

2020年8月例会より

かるがも俳句会 2020年8月20日(木)、石神井庁舎


わたがしとゆかた姿の君がいる

河骨や悩みごと持つ婆一人

かなかなの一節二節夕茜

山頂や黒き大佐渡櫨紅葉

立秋やきのふに似たる一日果つ

金魚釣小指なき香具師子らを呼ぶ

窓よりの大夕焼けに手を休め

戦争の記憶消すまじ原爆忌

核禁止語らぬ首相蟬しぐれ

鬼灯を鳴らして母の顔となる

雲の峰牛車のゆれに身をまかせ

生きてゐることが戦ひ毛虫焼く

小坂 謙一

青木 利子

元田 咲子

井筒 亨

原口 久恵

猪越 紀子

鳥居 とく

長束 瑠美子

渡部 良子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


今やマスクは外出時の必須アイテム。たまに近くまでの外出でマスクを着け忘れてしまうことがあります。そんな時はまるで校則を破った生徒のような気持ちで、そそくさとうつむいて帰宅することも。マスクをつけると顔半分が見えず表情がよく分からないことがあります。「目は口ほどに物を言う」と言いますが、はたして我が両眼はマスクをしたままでどれほど自分の気持ちを伝えているのであろうか。こんな時だからこそ、目力を上げるべく、目尻のシワなど気にせず、マスクの顔でも今まで以上に表情豊かにと思う今日この頃です。コロナの終息を願いつつ。(順子)

18 7月

2020年7月例会より

かるがも俳句会 2020年7月16日(木)、石神井庁舎


くちなしの香の広ごれり小糠雨

八年のひとり居なるやサクランボ

羅や祖母の名前はユキとタキ

涼しさや口中溶くるチョコミント

妻も子も孫も健やか金魚の死

梅雨の夜また読み返す草枕

雨上がり青葉の奥にまた青葉

門火焚く風に揺れくる父と母

七夕竹子等の願を重さうに

古民家の雨後のしじまや合歓の花

青木 利子

元田 咲子

井筒 亨

原口 久恵

千味 幸太郎

長束 瑠美子

渡部 良子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


我が家にはラジオが4台ある。小はポケットラジオから大はラジカセまで。他の2台は防災ラジオで、そのうち一台はソーラー機能もあるので天気の良い日にはベランダで日光浴をしている。朝目覚めると枕元のポケットラジオのスイッチを入れ私の1日が始まる。テレビはあまり見ないが、ラジオは一日中つけている。ラジオの良い所は仕事をしながら聞けること。聞いて想像することで脳に刺激を与えるので認知症予防にもなると言われている。ベランダで仕事をする時にはポケットにラジオを。外出する時にも忘れずイヤホンと共に持ってゆく。何かあった時にすぐニュースを知ることができる。ステイホームの日々にも、ラジオと読書でいつも通り退屈もストレスもなく、不安を感じることもないがマスクなしの日常を願っているこの頃である。(W.良子)

23 6月

2020年6月例会より

かるがも俳句会 2020年6月18日(木)、石神井庁舎


玉葱を刻む泪や今の幸

白あじさい口ずさみたるアベマリア

鳥曇墓碑銘は森林太郎

雷鳴のとどろき未知の世界像

がまがえる漢一人の夕支度

十薬の花束抱え友来る

木漏日のうしろに溜まる夏落葉

柿若葉小さき実二つ見え隠れ

気がつけばコロナと共に梅雨に入る

夏の夜のせせらぎの如マンホール

捨て田にも水満ちてをり梅雨に入る

六月会根本中堂夕日中

どくだみに我も野生の心かな

青木 利子

安藤 よしたか

井筒 亨

原口 久恵

千味 幸太郎

倉島 恒子

鳥居 とく

長束 瑠美子

渡部 良子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


三年程前になりますが、私は茶摘みの風景を見たくて武蔵高萩という駅で降り407号線を北上すると道路標識に日光街道と書いてありました。又看板の説明書に「この街道は、江戸時代に八王子千人同心が日光東照宮の火の番を交代で勤めるために、往来した道で、日光街道と呼ばれている。又上州や信州からの旅人が東海道に出る近道として又相州や甲州から、上州に旅する人たちの主要街道として盛んに利用された。」とのこと。日光街道と言うのは芭蕉の通った街道だけと思っていましたがこの並木も松や杉の大木が五、三キロメートル程続く趣のある街道でした。茶摘みは終わっていましたが、新しい発見の旅でした。(K.良子)

3 6月

2020年5月通信句会

かるがも俳句会 2020年5月31日(木)、通信句会
今月も新型コロナウィルスの影響で例会に代わり通信句会としました。


ときめきの朝日のしづく睡蓮花

花の名を次々忘れ五月尽

デコポンのへその出っぱり山笑ふ

緑陰にこの先のこと思ひをり

投網打つ小舟の影や夏の川

饒舌の後の寡黙や心太

あの人の笑顔見たくてバラを買ふ

アルバムの甚平の子も子の親に

白梅の鉢青梅の十五個も

大空の雲の波打つ鯉のぼり

窓に雲千代紙折りの鯉幟

そよ風に子等の歌声すみれ草

鉢の下五月の光にだんご虫

初宮の嬰子すやすや柿若葉

鶴頸にひとつ庭草夏座敷

青木 利子

安藤 よしたか

井筒 亨

原口 久恵

水村 洋子

千味 幸太郎

猪越 紀子

鳥居 とく

長束 瑠美子

熊谷 良子

渡部 良子

森永 順子

野々村 桂

宮田 敏子

今村 たかし


新緑の眩しい頃となりました。動植物の営みは同じ春なのに、人間の営みはまったく変わってしまいました。現状をどう受け止めて生きていくか、世界が途轍もない渦の中にあるようです。仕事帰りに見上げた月や散歩で気づく自然の変化に足を止め感動することで、心が救われます。色んなことが途絶えてみて人を想う事での繋がりも感じてます。生計の不安の中、今朝のカラスの声に今日も一日頑張るぞと力をもらいます。皆様、どうかご無事で。。。(桂)

1 5月

2020年4月通信句会

かるがも俳句会 2020年4月30日(木)、通信句会
今月は新型コロナウィルスの影響で例会に代わり通信句会としました。


囀りやおにぎりにのせ舌にのせ

花は葉に一期一会の友偲ぶ

積る気は端から無いよ牡丹雪

ウイルスにただただ籠る四月かな

笑っても泣いてもひとり水中花

紙のぼり色紙の空に泳ぎをり

うららかやのこぎりの音遠くより

無明なる吾に眩き白木槿

小言いふ母うとうとと春炬燵

満開の塀の向ふの躑躅かな

蔓折れてなほ鼻眼鏡花曇り

砂浜を駆くる子供ら春日射し

初蝶の翅やすめをり石畳

つつじ咲く花のバトンを受け継いで

しばらくは問はず語らず新茶の香

独楽回るやうに車窓の春はゆく

鳰を追ふ鳰水走り春の恋

青木 利子

元田 咲子

安藤 よしたか

井筒 亨

原口 久恵

水村 洋子

中村 麻子

千味 幸太郎

猪越 紀子

倉島 恒子

鳥居 とく

長束 瑠美子

熊谷 良子

渡部 良子

森永 順子

野々村 桂

今村 たかし


桜は春を告げ、小鳥はさえずり、花見酒も見送るしかない辞世。全国的な休校措置が取られ、1ヶ月半が過ぎた。通学する子供たちの声が聞こえないのもさみしい。ウイルスに抗して、外出を控えて、閉じこもっている私も足腰の齢を感じる。ウイルスの感染数も気にはなる。まだ減らないんだと。先が見えない日々に季節は少し進み、我慢の一か月半を過ぎる頃、どう変わっているだろうか。外出を控えて、見上げる花が散り、人々の困惑が伝わり、生気が枯れることがないように祈る。(敏子)

21 3月

2020年3月勉強会

かるがも俳句会 2020年2月20日(木)、石神井公園区民交流センター
今月は新型コロナウィルスの影響で例会に代わり勉強会とし、午後3時半に終了しました。勉強会の結果は下記の通りです。


9点 幹に咲く二輪の桜に力あり

9点 囀りや墓石洗ふやせ束子

9点 桜舞ふ道路工夫のヘルメット

8点 青空にワルツの音符白木蓮

8点 春分や水面に光る鯉の髭

7点 蜆汁職業欄に記す無職

7点 自粛とは悲しいですね春だのに

7点 熟睡して吾も旅の子西行忌

7点 春菊のごま和へにふと母のこと

6点 花あらば花に埋もれや西行忌

6点 柳の芽三宝寺池に子らの声

6点 春風やセーラーの衿ひるがへり

6点 にぎやかにやがて静かに辛夷咲く

6点 釣り人のそびらに触るる柳の芽

6点 知りたきは花のこころや西行忌

6点 芽柳のしめりを風の弄ぶ

渡部 良子

千味 幸太郎

安藤 よしたか

水村 洋子

青木 利子

堀江 康子

長束 瑠美子

千味 幸太郎

原口 久恵

宮田 敏子

長束 瑠美子

水村 洋子

安藤 よしたか

青木 利子

青木 利子

今村 たかし


中国の1都市で発生した新型コロナウイルスが世界中を震撼させています。学校は休校になり、イベントは中止。そのことは付近の商店や飲食店に大打撃を与えているとの事です。公民館等でのクラブ活動や教室も全て休会となっています。長引くと独り暮しの者は会話の機会を失って私も含め、認知症が増えるのではないかと心配です。先日用足しのついでに大型スーパーに寄って驚きました。トイレットペーパーの棚が全く空なのです。コロナとどんな関係があるのでしょうか。マスクなら解りますが。とにかくこの度の事で中国とは何とも不可解で恐ろしい国だと思い知らされました。(康子)

23 2月

2020年2月例会より

かるがも俳句会 2020年2月20日(木)、石神井公園区民交流センター


のら猫のしっぽ天指し冬うらら

五千歩の日課達成花菜風

子が愚痴を聞いてくれをり春炬燵

春昼の雨に声あり理髪店

春めいて軽く聞こゆる洗濯機

深呼吸してみる今朝の暖かさ

畑を打つ遠近よりの鳥の声

雪吊の雪待つ松に独り言

通院や春は名のみと口ずさむ

口元のゆるぶ露座仏春来る

大根のゆず田楽や猪口二つ

老いぬれど明日思ひをり蕗の薹

背をかがめ男の児とワルツ春の風

晴れわたる牡鹿三山鳶の笛

細雪下山の僧の笠の列

羽ばたきの千切れんほどに春の鴨

森永 順子

原口 久恵

野々村 桂

千味 幸太郎

水村 洋子

渡部 良子

元田 咲子

鳥居 とく

安藤 よしたか

熊谷 良子

長束 瑠美子

井筒 亨

中村 麻子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


自宅から近いということもあり、ちひろ美術館によく出かける。何も予定のない日や何やら重い物が溜まっていると感じる気分の日など。展示室を廻る前に、生前のアトリエを再現した場所にある“ちひろの言葉”を読む。中庭を囲うように大きなガラス窓があり、雨の日などそれをつたう雨粒を眺めているのが好きだ。庭には季節の花があり、カフェのテーブルにも小さな花瓶に野花が飾られている。心地よい空間を感じて帰路についた。(麻子)