30 7月

2019年7月例会より

かるがも俳句会 2019年7月25日(木)、石神井公園区民交流センター


写経して乱るる文字の溽暑かな

流されてなほ逆らひて水馬

雨、雨、雨、今日も雨だね蟇

夏風邪の床に句吟の暇かな

欠伸してため息ついてソーダ水

八ヶ岳麓の岩にひかり苔

救急のサイレン止まぬ羽蟻の夜

黒大蟻句作す我に登りて来

ベランダのゴーヤ今宵はチャンプルー

一周忌墨の香りの盆提灯

夫遠し父母なほ遠し星迎

楸邨の墓に夏痩集ひをり
水村 洋子

熊谷 良子

長束 瑠美子

猪越 紀子

森永 順子

鳥居 とく

千味 幸太郎

倉島 恒子

渡部 良子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし

「歎異抄をひらく」というアニメ映画を見に行きました。親鸞の話を田舎の小さな村で聞き、幼な友達と一緒に親鸞の所へ勉強に通っていた唯円(後に師から頂いた名)は熱心に勉強する。京に帰られた親鸞のもとに行き、修行を積みながら京の町の人々の生活の様子を見る。師の話される「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。」阿弥陀様は皆を救う為にいらっしゃる。人間の煩悩は死ぬまでなくなることはない。(来月へ続く、瑠美子)

30 6月

2019年6月例会より

かるがも俳句会 2019年6月20日(木)、石神井公園区民交流センター


何時の日か口利きさうな金魚かな

十和田湖の青葉に勝る水の色

母の手を放さぬ男児若葉風

宵闇やここよここよと蛍の灯

苗代に映る山々甲斐信濃

ふる里は今山桃の蒸るる時

夏山へ一歩熊笹分け入りぬ

草取女蚊いぶし下げて公園に

病む吾子へ見ゆる高さの蛍籠

老鶯の声よく通る大師堂

夏座敷武士のごとくに正座せり
千味 幸太郎

渡部 良子

中村 あさ子

森永 順子

長束 瑠美子

倉島 恒子

熊谷 良子

鳥居 とく

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし

この度一念発起しまして四国遍路旅に参加しました。本来の歩き旅ではなく駐車場までバスで行くのですが、お参りの作法は本格的で厳しいものです。まず山門で合掌一礼して入山、手水で手を清めます。本堂にて蝋燭一本と線香三本を灯しお札と賽銭を納め御本尊に経十三種を読みます。同じ事を大師堂にても行います。お堂までは険しい山路や石段がありますが勤行を終えて宿に向かうバスで経を読む頃には何か清々しさを覚えます。一生に一度お遍路旅をお勧めします。(康子)

15 6月

2019年6月吟行会より

かるがも俳句会 2019年6月6日(木)、平林寺吟行会


片割れの露座の地蔵や夏木立

廟所へと並ぶ石塔夏木立

ひつそりと平和観音青葉風

山門の仁王古ぶや若楓

寺の森誰かが指揮する夏の風  

炎昼や茅葺き屋根の修理中

風薫る凌霄閣の仁王像

向き合へる平和観音若楓

Tシヤツのうなじの白き夏はじめ

雲の峰齢武骨の高野槇
熊谷 良子

千味 幸太郎

森永 順子

上田 みの

野々村 桂

池田 和子

長束 瑠美子

倉島 恒子

堀江 康子

今村 たかし

今日は朝から好天で、集合場所のひばりが丘駅に着いた頃にはまるで真夏になったようであった。 ひばりが丘の北口駅前は、以前は迷路のような商店街を抜けてバス停まで歩いて行ったが、今は駅前が整備されてバス停もロータリーの中に設置ていた。 総勢10名の吟行会で、志木駅行のバスに乗り平林寺で下車した。平林寺は、埼玉県新座市野火止にある臨済宗妙心寺派の寺院である。山号は金鳳山。修行道場 として僧堂が設置されている。境内林は、武蔵野の面影を残す雑木林として、国の天然記念物に指定されている。入ってすぐに総門があり、 少し進むと山門がある。阿吽の仁王が周囲を見張っている。右側にはさざれ石が、またその隣には大きな槇の木が聳えるように立っていた。丁度工事中で仏殿などは 拝観出来なかった。僧が長靴を履いて走っていた。放生池、松平伊豆守信綱夫妻の墓、野火止塚、業平塚などを散策した。昼はたけ山で美味しいうどんを 頂いた。午後からは新座市民会館の会議室へ場所を移して俳句会を行った。心の洗われる吟行会であった。たけ山予約の野々村さん、会場予約の熊谷さん、 ありがとうございました。(たかし)

1 6月

2019年5月例会より

かるがも俳句会 2019年5月16日(木)、石神井公園区民交流センター


万緑へ思ひ切り漕ぐペタルかな

昃るやなほぼうたんの華やぎて

大皿に薬味たつぷり初鰹

滑らかに鯉が立夏の水くぐる

勿忘草そはふるさとの空の青

ムスリムの娘憩へる夏木立

孫二人乗り継ぎて来し柏餅

お裾分け蕗のうまさの浅葱色

掛軸に鯉泳がせて五月過ぐ

閑古鳥榎一樹の一里塚

空海の庭滝壺の沸騰す
森永 順子

熊谷 良子

鳥居 とく

千味 幸太郎

渡部 良子

猪越 紀子

倉島 恒子

長束 瑠美子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし

今月1日、時代が平成から令和に代わりました。「退位礼正殿の儀」に始まり、「剣璽等承継の儀」、「即位後朝見の儀」など、皇位継承に関する様々な儀式がありました。 また、秋には「大嘗祭」、「即位礼正殿の儀」、「祝賀御列の儀」など、多くの行事や儀式が行われます。 私は様々な行事や儀式があることに驚き、その大変さを知りました。時代の変わり目に結婚する人も多数いたようです。 しかし時代が変わっても10連休があっても私の生活は相変わらず淡々としております。 新しい時代も平和で穏やかな日々が続きますように願っております。(敏子)

22 4月

2019年4月例会より

かるがも俳句会 2019年4月18日(木)、石神井公園区民交流センター


園児らのまるで音符の春散歩

転職す甥の未来に風光る

記憶とは儚きものや春の雪

瑠璃色の空の欠片をイヌフグリ

春泥をいちにさんで跳ぶ子かな

クレソンを分けて流るる春の川

花の下東北なまりの男衆

櫻積むキーン氏の眠るこの土に

春疾風瀬戸大橋を行く車

早春の旅はきまぐれ歩も軽く

窓広き新型特急花曇

草餅に小さき故郷ありにけり

秘め事のの一つや二つ紫木蓮

宿坊に異人も一夜若芽汁

野々村 桂

長束 瑠美子

熊谷 良子

千味 幸太郎

森永 順子

鈴木 芳江

中村 あさ子

渡部 良子

鳥居 とく

杉本 康子

倉島 恒子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


4月18日、平成最後となる俳句会。冒頭今村先生から、高橋武司さんが3月20日肺炎の為お亡くなりになったとの悲しい知らせがありました。享年85歳。3月の例会に欠席されていたので案じていた矢先の訃報。頭の中が真っ白になりました。2月の例会にはいつもと変わらぬ様子で出席され、俳句を楽しんでおられました。杖をつき、補聴器をつけてのお体でしたが、句会にはマイカーを運転して来られると聞きました。旅先の思い出の句、美味しい食べ物が目に浮かぶ句、深みのある句。素晴らしい句をたくさん読まれました。この世の無常を感じます。とても残念です。心よりご冥福をお祈りいたします。合掌。(順子)

3 4月

2019年3月例会より

かるがも俳句会 2019年3月21日(木)、石神井公園区民交流センター


春眠や青年脱皮するごとく

断崖に根付く緑や風光る

やどかりや島を去る人戻る人

下駄箱に春の泥あるクリニック

団欒の温みほころぶチューリップ

菜の花の上に菜の花色の月

菜の花のからし和え置くカウンター

春光や大鷹巣づくり始まりぬ

桜満つ歩幅大きく子の発てり

春塵の渦巻く中へ路線バス

階の大山寺や桜まじ

野々村 桂

森永 順子

鳥居 とく

千味 幸太郎

中村 あさ子

渡部 良子

長束 瑠美子

倉島 恒子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


季節は少し戻るが、積もった雪の上をスノーシューで歩くことが人気であると聞く。ふだん入って行けない林の中なども歩くことができ、あたりの景色は一変するので喜ばれるのであろう。北海道東部での子供時代、冬に雪の上を歩くのはごく普通のことであった。積もった雪の表面が昼間にとけて夜に凍ることで硬くなり、真冬には歩いても大丈夫になるのだ。スノーシューなどなかったが、子供たちは「固雪渡れ」と言って雪の上を歩くことを楽しんでいた。雪の上に立つと急に背丈が伸びたようでうれしく、喜々として林の中などに入り、枯れたサビタの花や大きな谷地坊主(やちぼうず、植物)を見つけるものであった。雪上を歩けなくなると春が近づくのだが、道東の桜が咲くのは5月、東京より2ヶ月もおくれて満開を迎える。ほとんどがえぞ山桜であるが、花色は淡すぎず濃すぎず、これが本当の桜色であると私は思っている。((W・良子)

2 3月

2019年2月例会より

かるがも俳句会 2019年2月21日(木)、石神井公園区民交流センター


おしやべりは老の妙薬おでん鍋

眼が合ふてはにかむ少女花杏

胸元に豆の飛び込む福は内

紅梅の倒木のまゝ咲きにけり

ふらここの風にのつてる女の児

古希すぎて日々新たなり冬薔薇

摘草や土手の温みを足裏に

本郷は坂多き町春時雨

解放の豊洲市場や春浅し

パソコンを相手に王手春炬燵

梅一輪社長にくらふ大目玉

春風に咲きし競いし世界のらん

久に逢ふ母と連れ立つ小春かな

煙草絶ち酒絶つ友の寒卵

琴の音に野点の客や梅の花

杉本 康子

千味 幸太郎

熊谷 良子

倉島 恒子

鳥居 とく

渡部 良子

長束 瑠美子

高橋 武司

鈴木 芳江

森永 順子

野々村 桂

山田 てる子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


私は時間があるとよく「滝の城跡公園」に行く。「滝の城跡」は埼玉県指定史跡で所沢市と清瀬市の境を流れる柳瀬川を見下ろす高台に築かれ南側は急な崖、北側は三重の堀や土塁によって守られている。初めて登った時その堀をみて本当に城跡だと感動した。新緑や紅葉の時期によく出かけるが、なかなか句作には結びつかない。でも先日物忘れの防止には川柳などを考えながら歩くと良いと云われた。俳句でもよいのではないかと思い、とにかくこれからも歩くことにした。(K・良子)

20 1月

2019年1月例会より

かるがも俳句会 2019年1月17日(木)、石神井公園区民交流センター


寒風や千の地蔵の赤帽子

寒風や丈二センチのレモンの芽

解け行く記憶の束や霜柱

朝寝坊は悪妻かしら寒雀

煩悩は埋火に似て残りをり

着ぶくれて見分けのつかぬ待合せ

初夢や妻が旗振るピクニツク

母子つく音柔らかき除夜の鐘

空席の終バス寒気運びゆく

初競りの世間騒がす鮪かな

宿題に気づき泣く子の六日かな

裸木の思ひもよらぬ枝の先

着ぶくれて着ぶくれ医師と初笑

湯の旅の馳走は地酒と雪景色

内股の獅子もをるなり初神楽

鈴木 芳江

渡部 良子

加藤 悠児

長束 瑠美子

高橋 武司

鳥居 とく

伊賀 篤志

中村 あさ子

千味 幸太郎

山田 てる子

猪越 紀子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


一月より会計と監査担当が交代した。これにより運営体制は、代表が今村、副代表が堀江と宮田、会計が渡部それに監査が森永となった。これまで二年間会計を担当された熊谷さんお疲れさまでした。渡部さんと森永さんにはこれからの二年間よろしくお願いします。17日の11:30より「かごの屋」で新年会を開催し、12名の参加があった。その後の例会では4名が加わり、16名の初句会となった。毎月各自の一句をホームページに掲載しているが、これらも小冊子にまとめ会員に配布した。平成15(2003)年4月より始めた当句会は今年で16年目となる。切磋琢磨し今年も自分の記録となる自分の俳句を作っていきたいと考えている。(たかし)

25 12月

2018年12月例会より

かるがも俳句会 平成30年12月20日(木)、石神井公園区民交流センター


肝心の事は言はずに懐手

先客の猫の隣に日向ぼこ

口閉ざす少年の眼や寒昴

小春日を浴びる地蔵の赤帽子

独居の心もとなく根深汁

病院の待合室や日脚伸ぶ

侘助や一輪挿しの備前焼

日向ぼこわが人生の棚おろし

主なき庭の白菊風の音

病室の父や窓辺に寒昴

干し大根くの字に味の深みたる

湯豆腐にのせておかかの身悶えす

存へて忙しき日々や冬至粥

高橋 武司

森永 順子

千味 幸太郎

鳥居 とく

熊谷 良子

長束 瑠美子

倉島 恒子

渡部 良子

野々村 桂

猪越 紀子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


忙しなく巡った季節を振り返る・・・新たに出逢った人や本、自分。読もうと買って未読のままに年越しする本。店のお客様より預かる本も多く、先にそちらを詠まねばと・・・そこで思いがけなく心に残るほんとの出逢いもあり、これは作者の魂とのご縁なのだろうと思う。その一つ、久坂葉子作品集(1931~1953.12/31)戦後を多感な年頃で迎え、21才の若さで自ら命を絶つ。アレグロな音の世界に魅きこまれた。全てほっぽって読書したい年の瀬。大好きな子規の句。「人間を笑ふが如し年の暮れ(子規)」(桂)

18 11月

2018年11月例会より

かるがも俳句会 平成30年11月15日(木)、石神井公園区民交流センター


引きずりて児の届けたるさつまいも

職業は主婦と書きをりきのこ飯

着飾つてすぐ着崩れて七五三

一院に雨のそぼ降る石蕗の花

捨てきれぬ欲を抱へて穴まどひ

あづまやに親子の昼餉みかん園

爆買ひや干物・かまぼこ秋の旅

柚子味噌のレシピ歪な男文字

百三十咲きて朝顔果てにけり

柿たわわ飛騨の奥なる佛道

彼岸への使者となりをり秋茜

枝豆と里の匂ひの届きたる

街はづれ門の灯は烏瓜

鉄瓶の滾る音して冬に入る

冬めくや自作のぐい飲み重すぎる

真言の四恩酬答寒椿

倉島 恒子

森永 順子

杉本 康子

千味 幸太郎

加藤 悠児

熊谷 良子

伊賀 篤志

野々村 桂

渡部 良子

高橋 武司

長束 瑠美子

中村 あさ子

鳥居 とく

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


「あゝあの頃は幸せだった、と人々の多くは後になって気付くものだ」。これは20年程前、何かの番組でゲストが語っていたことである。その専門家が何方だったか思い出せないのだが、私は強い共感を覚え、それ以来“今の幸せ”を意識的に感じ、感謝して過ごすようになった。俳句を始めてから、様々な思いや光景を季節の中の実感として詠むことにより、楽しんだり癒されたりしている。上手くはないが、それは日々の豊かさにも繋がり、出会いと続けられる幸せに感謝である。(芳江)