1 11月

2018年10月吟行会より

かるがも俳句会 平成30年10月31日(木)、井草森公園と観泉寺吟行


六地蔵いろはもみぢを笠にして

秋晴や眼するどき鬼瓦

大屋根を秋の雲行く観泉寺

秋の空今川墓所に松二本

につこりと団栗いつこ差し出す児

秋風に吹かれるままに野の仏

朝寒のグランドにある芝刈機

草の花隅つこでいい居場所かな

天高し運動場の芝刈り機

柴垣の続く参道帰り花

水底にしづもる鯉の冬隣

長束 瑠美子

千味 幸太郎

渡部 良子

熊谷 良子

倉島 恒子

杉本 康子

沖田 顫童

中村 あさ子

伊勢 史郎

堀江 康子

今村 たかし


秋の吟行会は井草森公園と観泉寺、参加者は11名でした。まず井草森公園を散策、紅葉は真っ盛りとは言えませんでしたが銀杏の降る様や池に映る薄紅葉等を楽しみ、広場を走り廻る園児達を追いかける保育士に若くなくては勤まらないと感じ入ったり、かなりのんびりと過ごしました。次に景色を楽しみながら観泉寺まで歩きました。五本線をもつ塀にも由緒を感じながら寺域に 今川家の墓所の有る寺ですが、あまり広くないのですが竹林や苔の庭、小さな滝と石蕗の咲く流れ 鐘楼を隠しているような紅葉等、静かな禅寺の風情を醸していました。句作りに苦労しながらも楽しい一日でした。(H.康子)

20 10月

2018年10月例会より

かるがも俳句会 平成30年10月18日(木)、石神井公園区民交流センター


菊月や伯母百二歳の子守歌

ほどほどの人生も良し温め酒

蛼のこゑを夜道の道づれに

幸せの色は何色吾亦紅

筆に白たつぷりで描く秋明菊

吾一人腹より歌ふ芒原

星月夜庭には二つ犬の墓

赤まんま泣き虫のまた仲間入り

峠とふ字を得心す秋の旅

秋の園人込み避けて猫眠る

遊水地音声たかく鴨渡る

対岸のモズ声高く空に消ゆ 

萩の花ほろほろとまたほろほろと

日溜りの地蔵に群るる赤とんぼ

秋風や君を愛して倦怠期

ものを食ふおのが歯音やそぞろ寒

倉島 恒子

森永 順子

鈴木 芳江

千味 幸太郎

中村 あさ子

野々村 桂

猪越 紀子

鳥居 とく

渡部 良子

杉本 康子

熊谷 良子

伊賀 篤志

長束 瑠美子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


この度練馬区秋の文化祭俳句大会におきまして特別選者天賞を戴きました。私自身まさかと身を疑いました。でも本当でした。びっくりしました。これもひとえに今村先生と堀江さんのご指導のお陰と感謝しております。この結果を励みに今後も精進してまいります。こんな私ですから時間はかかると思いますが、気長におつきあいいただければ幸いです。末永く宜しくお願い致します。(S.康子)
21 9月

2018年9月例会より

かるがも俳句会 平成30年9月20日(木)、石神井公園区民交流センター


新涼や納戸のギター出してみる

改札に母の笑顔と吾亦紅

五つの子栗も五つのごはんかな

流し合ふ背ナの三代敬老日

振り向けど風の声のみ芒原

秋の声初恋の彼は車椅子

妻愛でし抹茶茶碗に月宿す

木漏れ日の遊ぶ川面や秋の風

お三時は抹茶と決めて栗まんぢゆう

老残やもういいだらうと法師蟬

信州や雨名月の露天風呂

遠近に虫の骸や今朝の秋

「極上の孤独」読みをり秋の夜

路の端の松葉牡丹は足元に

仄暗き佃の踊ナムアミダ

老いてなほ故郷恋ふる鰯雲

秋茜売地に残るポンプ井戸

幼目に木の実一つを拾ひけり

中村 あさ子

山田 てる子

森永 順子

伊勢 史郎

高橋 武司

杉本 康子

伊賀 篤志

熊谷 良子

倉島 恒子

加藤 悠児

鈴木 芳江

渡部 良子

長束 瑠美子

鳥居 とく

沖田 顫童

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


ここ数年、大きな自然災害があった。今年の9月6日には北海道で最大震度7の地震。
多くの人々が恐怖に震えた。「どうか生きていて」と無事を願う声が聞こえる。
しかし、無情にも雨が降り、なお悲しみに包まれる。
自然災害になすすべもなく、ただ耐える人々・・・・・
でも、虫の音が秋を告げ、草花が咲き、季節は巡る。もう暑かった夏は終わる。
猛烈な暑さだった夏が終わる。(敏子)

27 8月

2018年8月例会より

かるがも俳句会 平成30年8月16日(木)、石神井公園区民交流センター


交番で僧が道問ふ秋彼岸

炎昼の会ふ人ごとの恐き顔

西日差す土偶の男女首太し

耳遠き父の一日や木槿咲く

蝉時雨生きる力のあるかぎり

けふも無事あすも無事でと麦酒つぐ

冷し酒一人の夜は錫の酒器

信濃路の小さな秋を訪ねけり

落蟬のこれが最後と風に乗る

百日紅窓辺に猫の尾の動き

山門に流るるお経蟬しぐれ

ザリガニのひつくりかへるをつかめぬ子

水澄みて迷へる稚児に命かな

どぢやう汁の飯を掻っ込む車夫のごと

歩み来て未だ行き着けず遠花火
      
古書店は「サンカクヤマ」や西瓜切る

箍ゆるむ如くに芙蓉落ちにけり

生身魂かくも長閑に惚けをり

朝の水替へたるのみの送り盆

千味 幸太郎

熊谷 良子

池田 和子

野々村 桂

杉本 康子

猪越 紀子

中村 麻子

高橋 武司

渡部 良子

長束 瑠美子

鳥居 とく

倉島 恒子

鈴木 芳江

沖田 顫童

加藤 悠児
      
上田 みの

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


 東京に折角住んでいるので、『季語』を訪ねてみようと思いました。「三社祭」「びんざさら踊」「日枝祭」「江戸浅間祭」「朝顔市」「形代流し」「鬼灯市」「隅田川花火」「佃祭」「踊」。吉原「桜鍋」や浅草「泥鰌鍋」の店にも行きました。その度に一句は作っているのですが上手くは出来ません。これからも「秋祭」や「紅葉」や「新蕎麦」など沢山の『季語』に触れ俳句を作ろうと思いますが、上達するのはいつになることか心配です。(顫童)

22 7月

2018年7月例会より

かるがも俳句会 平成30年7月19日(木)、石神井公園区民交流センター


蟻の列石の形に逆らはず

人間も猫もくの字の昼寝かな

遠く聞く祭囃子を旅の宿

あさがほの鉢持ち帰る終業日

夏草の八島湿原いざ一歩

窓越しに「いってきま~す」と麦藁帽

炎天の工事現場の声激し

背泳や満天の星降りそそぐ

夏休み隣家で聞ゆ子等の声

強面の妹背が愛でる目高かな

宵宮の三本締めや神酒所前

花みかんラジオに流る歌謡曲

昼下がり嬉し恥かしソーダ水

夕焼やこの道どこまで往けるやら

水遊び子供らのくつ陽を浴びて

百あれば百の音色や南部鈴

醜草も型よく活けて夏座敷

腰に子の貼り付く母の大暑かな

千味 幸太郎

森永 順子

高橋 武司

熊谷 良子

鈴木 芳江

倉島 恒子

杉本 康子

猪越 紀子

長束 瑠美子

鳥居 とく

沖田 顫童

馬場 美智子

山田 輝子

加藤 悠児

中村 あさ子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


「一を聞いて十を知る」という諺がありますが、なかなかそうはゆかないものです。これは、聞く方が賢い人の話で、よほど相手の事情とか習慣にに馴染んでいての話。しかし、「俳句」もよく似たもので「十七音」と短い文章で詠者は思いを伝えんとしますがその句を詠む側に詠者の意図が伝わらない事が間々あります。長々と説明せずに、一言一文を以て意図する情景、状況、とくに思いを伝えることの難しさを「俳句」は教えてくれます。「一を言って十を知らせる」工夫に頭を悩まされるこの頃です(幸太郎)

26 6月

2018年6月例会より

かるがも俳句会 平成30年6月21日(木)、石神井公園区民交流センター


百点を金魚に見せる一年生

結ひ上げしうなじに夏の来たりけり

品書は女将の手書夏料理

五月雨や一人だけなる始発バス

朝焼やガンジス川に放れ牛

父の日の人声多き墓苑かな

八幡宮宮司も巫女も衣更

千住の灯夜店の奥に芭蕉の碑

緑陰の一人鉄棒鳩鳴けり

朝まだきぎよつと目のあふ蟇

かぶと虫桜の根本に戻しやり

雨降れば蝦蟇の親子が姿見せ

旱魃のアフガンに立つ医師ありて

夕暮れの筍背負ひし笑顔の子

若者の石見神楽や夏の夜

故郷はいまも単線青芒

思ひ出の薄れてゆきぬ更衣

家族みな出払つてゐる夏至夕べ

千味 幸太郎

鈴木 芳江

高橋 武司

馬場 美智子

猪越 紀子

森永 順子

伊賀 篤志

沖田 顫童

野々村 桂

熊谷 良子

鳥居 とく

長束 瑠美子

渡部 良子

山田 輝子

倉島 恒子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


初寄稿にも関わらず長文になる事を御了承頂きたい。いつも利用しているネットの俳句掲示板がある。そこは常に厳しい意見が飛び交うがネットにありがちな他人の人格を否定するような発言等はない。そこに集まる人達は本当に俳句が好きで向上心が高いからだと思う。ところでねんりんぴっく俳句交流大会という全国俳句大会がある。その大会は事前投句部門に上位入選すると表彰式の招待状が送られてくる。選者が十人もいるのだが朝日新聞の俳壇方式いわゆる供選であり世代別の部門になっている。だから掲示板に集うメンバーの実力なら上位入選は難しくない。そこでこの大会に応募して表彰式で合おうと声掛けをしたのだが賛同してくれる仲間が現れ始めた。実際に会えるかはまず上位入選しなければわからない。いつも切磋琢磨しあっている仲間もライバルになる。上位入選しても日々の都合で表彰式に出席できない人もいるかもしれない。しかし、まだ見ぬ「句友」達は自信に溢れ11月の富山で会えると思っているようだ。果報を寝て待ちたい。(史朗)

31 5月

2018年5月吟行会より

かるがも俳句会 平成30年5月31日(木)、善福寺公園吟行


流鏑馬のどよめきしのぶ夏木立

伽羅蕗のおむすび一つ雨催

砂利に足沈む楽しさえごの花

流鏑馬の一番的や樟若葉

博子氏の笑顔浮びて四葩かな

子等の声遠くしてをり山法師

明るくて雨こまやかに須具利の実

直線の流鏑馬の道夏の宮

拝殿へ向ける薄暑の車椅子

楼門の斗栱も朱塗風薫る

紫陽花をうつす水面や善福寺

善福寺亡き友偲び木下闇

青葉雨鯉の泡の一つ浮き

箒目に一つ足跡走り梅雨

渡部 良子

沖田 顫童

千味 幸太郎

熊谷 良子

森永 順子

宮田 敏子

足立 和信

倉島 恒子

伊賀 篤志

鈴木 芳江

丸田 勝弘

鳥居 とく

堀江 康子

今村 たかし


5月31日(木)午前10時に井草八幡宮本殿前に集合した。今回は「杉」の足立さんも参加されて合計15名の吟行会であった。井草八幡宮は、その昔、源頼朝が奥州藤原泰衡征伐の際に戦勝祈願をして立ち寄ったと伝えられており、それ以来春日社から八幡宮を奉斎するようになった。源頼朝の手植えの松の二代目が社殿前に植えられている。楼門の朱塗が印象的であった。次に向かった善福寺池は、武蔵野三大湧水池のひとつとで、池の名称は昔この付近にあった寺の名からとった。源頼朝が奥州征伐に向かう途中、自ら弓の「はず」で土を掘ったと云われる「遅の井」の井戸がある。丁度、えごの花、紫陽花、花あやめ、山法師などが盛りで、季語負けしそうな吟行会であった。句会場の杉並勤労福祉会館は伊勢さんが予約していただいた。雨の予報は曇りで過ごしやすい一日であった。(たかし)

20 5月

2018年5月例会より

かるがも俳句会 平成30年5月17日(木)、石神井公園区民交流センター


夏帽子握りつぶして応援す

薪能ひとは鬼にも仏にも

肘ゑくぼ見ゆる少女の更衣

酒断ちの今日は許せと初鰹

「しあはせ」は妣の口ぐせ新茶の香

里山の間近に見ゆる茶摘かな

江戸前の穴子と言ひて戴きぬ

夏川に笹舟追つて子等かける

行く春や水脈ひく舟の隅田川

居眠りの列車の親子夏帽子

樟若葉庭師の腰の花鋏

桜から柏へ移る餅文化

西郷どん一足先に花見かな

歌舞伎座の壁に句のあり傘雨の忌
    
根を広げ高尾山道著莪の花

枝下ろし悪魔のごとき薔薇の棘
       
農鳥に鍬持ち替へる男かな

杉本 康子

猪越 紀子

千味 幸太郎

宮田 敏子

森永 順子

熊谷 良子

高橋 武司

長束 瑠美子

渡部 良子

野々村 桂

馬場 美智子

伊賀 篤志

鳥居 とく

沖田 顫童

鈴木 芳江

堀江 康子

今村 たかし


薪能は人工の光の下では表現しにくい異次元の世界です。寺社の境内が黄昏の光に包まれ、やがて夜の帳が降りると、かがり火が私達を夢幻の空間に誘います。闇に包まれているからこそ集中して役者の舞姿や能面の繊細な変化も感じ取れます。善良な人が激しい愛執や怒りに人格を乗っ取られて鬼になり幽霊になり、やがて妄執を脱して成仏する。成仏する前に鬼はよく旅の僧に自分の不条理を語りますが、やはり鬼も誰かに自分の気持ちを聴いて欲しいのでしょう。(紀子)

23 4月

2018年4月例会より

かるがも俳句会 平成30年4月19日(木)、石神井公園区民交流センター


御仏は素足で在はす花見堂

突然に校歌とび出す花の宴

病む母に我家は遠しさくら咲く

校舎より漏るるコーラス風光る

ランドセル服もおさがり入学す

土手に落ち水面におつる藪椿

畜舎越え果樹園越えて花吹雪

優しさに触れて大和路春の旅

畦道を蕨摘みつつ野のかをり

揺れやまぬ藤簪の卒業子

見上げれば花のトンネルみあい橋

ひそやかに隣家訪ふ人朧月

入学や金具眩しきランドセル

風の中ぺんぺん草の埋立地

新緑の上野巨鯨に逢ひにゆく

山にまだ斑残るも啄木忌

春雨や宿の夕餉は地酒付き

リヤカーに園児満載囀れり

鷺の舞二羽に干潟の果てしなし

鳥居 とく

千味 幸太郎

宮田 敏子

馬場 美智子

倉島 恒子

熊谷 良子

伊賀 篤志

杉本 康子

丸田 勝弘

沖田 顫童

山田 てる子

猪越 紀子

伊勢 史郎

野々村 桂

渡部 良子

高橋 武司

長束 瑠美子

堀江 康子

今村 たかし


17年前、先輩から俳句への誘いを受けました。母と伯母の在宅介護中で余裕がなくお断りしました。代わりに俳句番組を見る楽しみを知り、今でも続いて楽しんでいます。かるがも俳句会に入会して、一年が過ぎました。見るのと、作るのでは大違い、、、を実感しています。感動や思いを皆さんと共有できるように17音に表現するのは大変難しく、苦戦しています。石神井公園で二つの歌う会をやっていますが、毎日公園へ行っては俳句の元を探しています。(恒子)

26 3月

2018年3月例会より

かるがも俳句会 平成30年3月15日(木)、石神井公園区民交流センター


木造の校舎に染みる卒業歌

ねぎらひの義母のひと言水温む

春愁に似たり漢の一人酒

卒園や母の涙と子の笑顔

「もういいかい」ゑんどうの花今開く

うごめきて石間をいでず蝌蚪の群

風光る小兵力士ののぼり旗

父母の遺影明るき春障子

葱坊主畝一列に路の端

工芸館の棟方版画春うらら

まんさくの花のほころび風あそぶ
    
捻くれる男の顔やピカソの忌

山笑ふ高野に集ふエトランゼ

ひつそりと春の川越山屋かな

春の野や一品多くおかず詰め

乱れなき庭の箒目利休の忌
       
啓蟄の幼の宝だんご虫

馬場 美智子

宮田 敏子

高橋 武司

猪越 紀子

渡部 良子

熊谷 良子

森永 順子

千味 幸太郎

鳥居 とく

倉島 恒子

鈴木 芳江
    
伊勢 史郎

伊賀 篤志

丸田 勝弘

山田 てる子

堀江 康子

今村 たかし


今冬は本当に寒い日が続きました。久しぶりの雪かきに普段の運動不足がたたり、しばらく筋肉痛になりました。近頃はようやく春の香りがし、出掛ける時も軽やかになってきました。俳句をはじめて早一年ですが、やればやるほど奥深さを知り、言葉の大切さや表現のむつかしさに頭を悩ます毎日です。短い言葉で伝える力、相手を思いやる気持ちも必要です。日本には多くの美しい言葉があります。春の訪れとともに、これからも日々精進していきたいと思います。(輝子)