2 3月

2019年2月例会より

かるがも俳句会 2019年2月21日(木)、石神井公園区民交流センター


おしやべりは老の妙薬おでん鍋

眼が合ふてはにかむ少女花杏

胸元に豆の飛び込む福は内

紅梅の倒木のまゝ咲きにけり

ふらここの風にのつてる女の児

古希すぎて日々新たなり冬薔薇

摘草や土手の温みを足裏に

本郷は坂多き町春時雨

解放の豊洲市場や春浅し

パソコンを相手に王手春炬燵

梅一輪社長にくらふ大目玉

春風に咲きし競いし世界のらん

久に逢ふ母と連れ立つ小春かな

煙草絶ち酒絶つ友の寒卵

琴の音に野点の客や梅の花

杉本 康子

千味 幸太郎

熊谷 良子

倉島 恒子

鳥居 とく

渡部 良子

長束 瑠美子

高橋 武司

鈴木 芳江

森永 順子

野々村 桂

山田 てる子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


私は時間があるとよく「滝の城跡公園」に行く。「滝の城跡」は埼玉県指定史跡で所沢市と清瀬市の境を流れる柳瀬川を見下ろす高台に築かれ南側は急な崖、北側は三重の堀や土塁によって守られている。初めて登った時その堀をみて本当に城跡だと感動した。新緑や紅葉の時期によく出かけるが、なかなか句作には結びつかない。でも先日物忘れの防止には川柳などを考えながら歩くと良いと云われた。俳句でもよいのではないかと思い、とにかくこれからも歩くことにした。(K・良子)

20 1月

2019年1月例会より

かるがも俳句会 2019年1月17日(木)、石神井公園区民交流センター


寒風や千の地蔵の赤帽子

寒風や丈二センチのレモンの芽

解け行く記憶の束や霜柱

朝寝坊は悪妻かしら寒雀

煩悩は埋火に似て残りをり

着ぶくれて見分けのつかぬ待合せ

初夢や妻が旗振るピクニツク

母子つく音柔らかき除夜の鐘

空席の終バス寒気運びゆく

初競りの世間騒がす鮪かな

宿題に気づき泣く子の六日かな

裸木の思ひもよらぬ枝の先

着ぶくれて着ぶくれ医師と初笑

湯の旅の馳走は地酒と雪景色

内股の獅子もをるなり初神楽

鈴木 芳江

渡部 良子

加藤 悠児

長束 瑠美子

高橋 武司

鳥居 とく

伊賀 篤志

中村 あさ子

千味 幸太郎

山田 てる子

猪越 紀子

野々村 桂

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


一月より会計と監査担当が交代した。これにより運営体制は、代表が今村、副代表が堀江と宮田、会計が渡部それに監査が森永となった。これまで二年間会計を担当された熊谷さんお疲れさまでした。渡部さんと森永さんにはこれからの二年間よろしくお願いします。17日の11:30より「かごの屋」で新年会を開催し、12名の参加があった。その後の例会では4名が加わり、16名の初句会となった。毎月各自の一句をホームページに掲載しているが、これらも小冊子にまとめ会員に配布した。平成15(2003)年4月より始めた当句会は今年で16年目となる。切磋琢磨し今年も自分の記録となる自分の俳句を作っていきたいと考えている。(たかし)

25 12月

2018年12月例会より

かるがも俳句会 平成30年12月20日(木)、石神井公園区民交流センター


肝心の事は言はずに懐手

先客の猫の隣に日向ぼこ

口閉ざす少年の眼や寒昴

小春日を浴びる地蔵の赤帽子

独居の心もとなく根深汁

病院の待合室や日脚伸ぶ

侘助や一輪挿しの備前焼

日向ぼこわが人生の棚おろし

主なき庭の白菊風の音

病室の父や窓辺に寒昴

干し大根くの字に味の深みたる

湯豆腐にのせておかかの身悶えす

存へて忙しき日々や冬至粥

高橋 武司

森永 順子

千味 幸太郎

鳥居 とく

熊谷 良子

長束 瑠美子

倉島 恒子

渡部 良子

野々村 桂

猪越 紀子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


忙しなく巡った季節を振り返る・・・新たに出逢った人や本、自分。読もうと買って未読のままに年越しする本。店のお客様より預かる本も多く、先にそちらを詠まねばと・・・そこで思いがけなく心に残るほんとの出逢いもあり、これは作者の魂とのご縁なのだろうと思う。その一つ、久坂葉子作品集(1931~1953.12/31)戦後を多感な年頃で迎え、21才の若さで自ら命を絶つ。アレグロな音の世界に魅きこまれた。全てほっぽって読書したい年の瀬。大好きな子規の句。「人間を笑ふが如し年の暮れ(子規)」(桂)

18 11月

2018年11月例会より

かるがも俳句会 平成30年11月15日(木)、石神井公園区民交流センター


引きずりて児の届けたるさつまいも

職業は主婦と書きをりきのこ飯

着飾つてすぐ着崩れて七五三

一院に雨のそぼ降る石蕗の花

捨てきれぬ欲を抱へて穴まどひ

あづまやに親子の昼餉みかん園

爆買ひや干物・かまぼこ秋の旅

柚子味噌のレシピ歪な男文字

百三十咲きて朝顔果てにけり

柿たわわ飛騨の奥なる佛道

彼岸への使者となりをり秋茜

枝豆と里の匂ひの届きたる

街はづれ門の灯は烏瓜

鉄瓶の滾る音して冬に入る

冬めくや自作のぐい飲み重すぎる

真言の四恩酬答寒椿

倉島 恒子

森永 順子

杉本 康子

千味 幸太郎

加藤 悠児

熊谷 良子

伊賀 篤志

野々村 桂

渡部 良子

高橋 武司

長束 瑠美子

中村 あさ子

鳥居 とく

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


「あゝあの頃は幸せだった、と人々の多くは後になって気付くものだ」。これは20年程前、何かの番組でゲストが語っていたことである。その専門家が何方だったか思い出せないのだが、私は強い共感を覚え、それ以来“今の幸せ”を意識的に感じ、感謝して過ごすようになった。俳句を始めてから、様々な思いや光景を季節の中の実感として詠むことにより、楽しんだり癒されたりしている。上手くはないが、それは日々の豊かさにも繋がり、出会いと続けられる幸せに感謝である。(芳江)

1 11月

2018年10月吟行会より

かるがも俳句会 平成30年10月31日(木)、井草森公園と観泉寺吟行


六地蔵いろはもみぢを笠にして

秋晴や眼するどき鬼瓦

大屋根を秋の雲行く観泉寺

秋の空今川墓所に松二本

につこりと団栗いつこ差し出す児

秋風に吹かれるままに野の仏

朝寒のグランドにある芝刈機

草の花隅つこでいい居場所かな

天高し運動場の芝刈り機

柴垣の続く参道帰り花

水底にしづもる鯉の冬隣

長束 瑠美子

千味 幸太郎

渡部 良子

熊谷 良子

倉島 恒子

杉本 康子

沖田 顫童

中村 あさ子

伊勢 史郎

堀江 康子

今村 たかし


秋の吟行会は井草森公園と観泉寺、参加者は11名でした。まず井草森公園を散策、紅葉は真っ盛りとは言えませんでしたが銀杏の降る様や池に映る薄紅葉等を楽しみ、広場を走り廻る園児達を追いかける保育士に若くなくては勤まらないと感じ入ったり、かなりのんびりと過ごしました。次に景色を楽しみながら観泉寺まで歩きました。五本線をもつ塀にも由緒を感じながら寺域に 今川家の墓所の有る寺ですが、あまり広くないのですが竹林や苔の庭、小さな滝と石蕗の咲く流れ 鐘楼を隠しているような紅葉等、静かな禅寺の風情を醸していました。句作りに苦労しながらも楽しい一日でした。(H.康子)

20 10月

2018年10月例会より

かるがも俳句会 平成30年10月18日(木)、石神井公園区民交流センター


菊月や伯母百二歳の子守歌

ほどほどの人生も良し温め酒

蛼のこゑを夜道の道づれに

幸せの色は何色吾亦紅

筆に白たつぷりで描く秋明菊

吾一人腹より歌ふ芒原

星月夜庭には二つ犬の墓

赤まんま泣き虫のまた仲間入り

峠とふ字を得心す秋の旅

秋の園人込み避けて猫眠る

遊水地音声たかく鴨渡る

対岸のモズ声高く空に消ゆ 

萩の花ほろほろとまたほろほろと

日溜りの地蔵に群るる赤とんぼ

秋風や君を愛して倦怠期

ものを食ふおのが歯音やそぞろ寒

倉島 恒子

森永 順子

鈴木 芳江

千味 幸太郎

中村 あさ子

野々村 桂

猪越 紀子

鳥居 とく

渡部 良子

杉本 康子

熊谷 良子

伊賀 篤志

長束 瑠美子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


この度練馬区秋の文化祭俳句大会におきまして特別選者天賞を戴きました。私自身まさかと身を疑いました。でも本当でした。びっくりしました。これもひとえに今村先生と堀江さんのご指導のお陰と感謝しております。この結果を励みに今後も精進してまいります。こんな私ですから時間はかかると思いますが、気長におつきあいいただければ幸いです。末永く宜しくお願い致します。(S.康子)
21 9月

2018年9月例会より

かるがも俳句会 平成30年9月20日(木)、石神井公園区民交流センター


新涼や納戸のギター出してみる

改札に母の笑顔と吾亦紅

五つの子栗も五つのごはんかな

流し合ふ背ナの三代敬老日

振り向けど風の声のみ芒原

秋の声初恋の彼は車椅子

妻愛でし抹茶茶碗に月宿す

木漏れ日の遊ぶ川面や秋の風

お三時は抹茶と決めて栗まんぢゆう

老残やもういいだらうと法師蟬

信州や雨名月の露天風呂

遠近に虫の骸や今朝の秋

「極上の孤独」読みをり秋の夜

路の端の松葉牡丹は足元に

仄暗き佃の踊ナムアミダ

老いてなほ故郷恋ふる鰯雲

秋茜売地に残るポンプ井戸

幼目に木の実一つを拾ひけり

中村 あさ子

山田 てる子

森永 順子

伊勢 史郎

高橋 武司

杉本 康子

伊賀 篤志

熊谷 良子

倉島 恒子

加藤 悠児

鈴木 芳江

渡部 良子

長束 瑠美子

鳥居 とく

沖田 顫童

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


ここ数年、大きな自然災害があった。今年の9月6日には北海道で最大震度7の地震。
多くの人々が恐怖に震えた。「どうか生きていて」と無事を願う声が聞こえる。
しかし、無情にも雨が降り、なお悲しみに包まれる。
自然災害になすすべもなく、ただ耐える人々・・・・・
でも、虫の音が秋を告げ、草花が咲き、季節は巡る。もう暑かった夏は終わる。
猛烈な暑さだった夏が終わる。(敏子)

27 8月

2018年8月例会より

かるがも俳句会 平成30年8月16日(木)、石神井公園区民交流センター


交番で僧が道問ふ秋彼岸

炎昼の会ふ人ごとの恐き顔

西日差す土偶の男女首太し

耳遠き父の一日や木槿咲く

蝉時雨生きる力のあるかぎり

けふも無事あすも無事でと麦酒つぐ

冷し酒一人の夜は錫の酒器

信濃路の小さな秋を訪ねけり

落蟬のこれが最後と風に乗る

百日紅窓辺に猫の尾の動き

山門に流るるお経蟬しぐれ

ザリガニのひつくりかへるをつかめぬ子

水澄みて迷へる稚児に命かな

どぢやう汁の飯を掻っ込む車夫のごと

歩み来て未だ行き着けず遠花火
      
古書店は「サンカクヤマ」や西瓜切る

箍ゆるむ如くに芙蓉落ちにけり

生身魂かくも長閑に惚けをり

朝の水替へたるのみの送り盆

千味 幸太郎

熊谷 良子

池田 和子

野々村 桂

杉本 康子

猪越 紀子

中村 麻子

高橋 武司

渡部 良子

長束 瑠美子

鳥居 とく

倉島 恒子

鈴木 芳江

沖田 顫童

加藤 悠児
      
上田 みの

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


 東京に折角住んでいるので、『季語』を訪ねてみようと思いました。「三社祭」「びんざさら踊」「日枝祭」「江戸浅間祭」「朝顔市」「形代流し」「鬼灯市」「隅田川花火」「佃祭」「踊」。吉原「桜鍋」や浅草「泥鰌鍋」の店にも行きました。その度に一句は作っているのですが上手くは出来ません。これからも「秋祭」や「紅葉」や「新蕎麦」など沢山の『季語』に触れ俳句を作ろうと思いますが、上達するのはいつになることか心配です。(顫童)

22 7月

2018年7月例会より

かるがも俳句会 平成30年7月19日(木)、石神井公園区民交流センター


蟻の列石の形に逆らはず

人間も猫もくの字の昼寝かな

遠く聞く祭囃子を旅の宿

あさがほの鉢持ち帰る終業日

夏草の八島湿原いざ一歩

窓越しに「いってきま~す」と麦藁帽

炎天の工事現場の声激し

背泳や満天の星降りそそぐ

夏休み隣家で聞ゆ子等の声

強面の妹背が愛でる目高かな

宵宮の三本締めや神酒所前

花みかんラジオに流る歌謡曲

昼下がり嬉し恥かしソーダ水

夕焼やこの道どこまで往けるやら

水遊び子供らのくつ陽を浴びて

百あれば百の音色や南部鈴

醜草も型よく活けて夏座敷

腰に子の貼り付く母の大暑かな

千味 幸太郎

森永 順子

高橋 武司

熊谷 良子

鈴木 芳江

倉島 恒子

杉本 康子

猪越 紀子

長束 瑠美子

鳥居 とく

沖田 顫童

馬場 美智子

山田 輝子

加藤 悠児

中村 あさ子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


「一を聞いて十を知る」という諺がありますが、なかなかそうはゆかないものです。これは、聞く方が賢い人の話で、よほど相手の事情とか習慣にに馴染んでいての話。しかし、「俳句」もよく似たもので「十七音」と短い文章で詠者は思いを伝えんとしますがその句を詠む側に詠者の意図が伝わらない事が間々あります。長々と説明せずに、一言一文を以て意図する情景、状況、とくに思いを伝えることの難しさを「俳句」は教えてくれます。「一を言って十を知らせる」工夫に頭を悩まされるこの頃です(幸太郎)

26 6月

2018年6月例会より

かるがも俳句会 平成30年6月21日(木)、石神井公園区民交流センター


百点を金魚に見せる一年生

結ひ上げしうなじに夏の来たりけり

品書は女将の手書夏料理

五月雨や一人だけなる始発バス

朝焼やガンジス川に放れ牛

父の日の人声多き墓苑かな

八幡宮宮司も巫女も衣更

千住の灯夜店の奥に芭蕉の碑

緑陰の一人鉄棒鳩鳴けり

朝まだきぎよつと目のあふ蟇

かぶと虫桜の根本に戻しやり

雨降れば蝦蟇の親子が姿見せ

旱魃のアフガンに立つ医師ありて

夕暮れの筍背負ひし笑顔の子

若者の石見神楽や夏の夜

故郷はいまも単線青芒

思ひ出の薄れてゆきぬ更衣

家族みな出払つてゐる夏至夕べ

千味 幸太郎

鈴木 芳江

高橋 武司

馬場 美智子

猪越 紀子

森永 順子

伊賀 篤志

沖田 顫童

野々村 桂

熊谷 良子

鳥居 とく

長束 瑠美子

渡部 良子

山田 輝子

倉島 恒子

宮田 敏子

堀江 康子

今村 たかし


初寄稿にも関わらず長文になる事を御了承頂きたい。いつも利用しているネットの俳句掲示板がある。そこは常に厳しい意見が飛び交うがネットにありがちな他人の人格を否定するような発言等はない。そこに集まる人達は本当に俳句が好きで向上心が高いからだと思う。ところでねんりんぴっく俳句交流大会という全国俳句大会がある。その大会は事前投句部門に上位入選すると表彰式の招待状が送られてくる。選者が十人もいるのだが朝日新聞の俳壇方式いわゆる供選であり世代別の部門になっている。だから掲示板に集うメンバーの実力なら上位入選は難しくない。そこでこの大会に応募して表彰式で合おうと声掛けをしたのだが賛同してくれる仲間が現れ始めた。実際に会えるかはまず上位入選しなければわからない。いつも切磋琢磨しあっている仲間もライバルになる。上位入選しても日々の都合で表彰式に出席できない人もいるかもしれない。しかし、まだ見ぬ「句友」達は自信に溢れ11月の富山で会えると思っているようだ。果報を寝て待ちたい。(史朗)