かるがも俳句会 2022年6月16日(木)、石神井庁舎
- 移り気と言ふ花言葉手毬花
- 早川 厚
- 信濃路の回向柱や夏の空
- 外山 正枝
- サンドレス身体に合はせ旅心地
- 原口 久恵
- 西日射す畳も恋も褪せにけり
- 水村 洋子
- 茅の輪くぐり過去の自分と訣別す
- 猪越 紀子
- 葉の上のト音記号や蝸牛
- 千味 幸太郎
- ここが加賀百万石の青田かな
- 鳥居 とく
- 夕闇に月下美人と小糠雨
- 長束 瑠美子
- 太陽と競ふ真紅の立葵
- 渡部 良子
- 試合終へ円陣くみし子等に汗
- 熊谷 良子
- ウィルスも黴も永らふ水の星
- 野々村 桂
- 幅狭き参磴百段額の花
- 堀江 康子
- 忙しさがいまだ生きがひ花菜漬
- 今村 たかし
(次回例会は7月21日、石神井庁舎5階第3会議室です)
過日読んだ新聞の記事に次のようなことが載っていた。夫を不慮の事故で亡くした主婦が弁当屋さんを開業しているが、仕事が一段落した午後2時頃になると、その日にあった出来事や気が付いたことを、簡単な俳句にして亡くなったご主人に語り掛けるように詠むようになった。そのことが毎日の楽しみになり、張り合いになっているとの記事であった。早朝からの仕込み、料理盛り付け、販売など多忙な時間を過ごした後のほっと一息つけた時にふと胸に感じたその日の思いを亡きご主人に報告するように句に託しているのは、けなげなことだと思った。花鳥諷詠を読むのも良いが、この方のように日常を読むのも大切な句作りだと改めて思った。(幸太郎)