かるがも俳句会 平成28年10月20日(木)、石神井公園区民交流センター
- 応援の手のひら熱き運動会
- 森永 順子
- 雨さりて多摩が秩父が山装ふ
- 伊賀 篤志
- たそがれを古きサイロに霧流る
- 渡部 良子
- 木犀の香をいつぱいに人を待つ
- 野々村 桂
- 薄味の夫の好みに茸飯
- 馬場 美智子
- 溝蕎麦の川の流れに色添へて
- 杉本 康子
- 足下の二人の影や暮の秋
- 鈴木 芳江
- 学校といふ扁額や銀杏散る
- 熊谷 良子
- 久方に手をかざしみる鰯雲
- 鳥居 とく
- 秋の陽に茱萸の実透けてルビーめく
- 柴田 ミチ子
- 千枚田千の満月確と抱き
- 堀江 康子
- 新蕎麦や荷風愛しみし浅草に
- 国岡 博子
- 晩秋へすとんと落つる日暮かな
- 今村 たかし
練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室(松の風公園内)で平成28年7月3日から10月23日まで「和のくらし 和のことば」展が催された。昔から日本で使われてきた物、行いや言葉などに関連して、夏から秋へと移り変わる季節のくらしの道具やその風物を描いた俳句、短歌、随筆、小説の一節などを紹介していた。この会期中のイベントの一つとして、俳句の募集があり、私が選者を務めた。応募作品は全部で77句で、特選2句、天5句、地6句、人10句を受賞作品とした。10月16日には同分室の2階多目的室で受賞作品の発表会を行った。その時の特選2句を紹介したい。「流燈会男の子もゆるく帯しめて 博子」、「楽しさは花火とともに舞い上がる 真柔」。俳句で人生を楽しんでいただければ本望である。(たかし)