かるがも俳句会 2022年9月15日(木)、石神井庁舎
- 棒切れにすがる重さの秋の蟬
- 中村 麻子
- サンダルの肌色の爪リズムとる
- 早川 厚
- 駄々っ子にぢいぢ手を焼く夜店かな
- 外山 正枝
- さりさりと一日の褒美梨齧る
- 原口 久恵
- 風死すやをちこち点る市井の灯
- 井筒 亨
- 横文字の新聞尾花を包みをり
- 水村 洋子
- 新蕎麦や古き構への床柱
- 千味 幸太郎
- メス止めて汗拭かせをり手術室
- 鳥居 とく
- 秋風や窓辺の猫におはやうさん
- 長束 瑠美子
- 満月に亡き人の顔重なりぬ
- 渡部 良子
- 畑中の蜻蛉風に逆らはず
- 熊谷 良子
- 露草や光とらへしレンズの眼
- 野々村 桂
- 雲一片秋の気満つる法の山
- 堀江 康子
- 秋つばめ空の広さの限りなし
- 今村 たかし
(次回例会は10月20日、石神井庁舎5階第3会議室です)
令和二年九月にNHK俳句で放送した対馬康子先生のユニークな作句法「五段とばし」を紹介します。テーマは「心を詠む」で、ゲストの加藤諒さんのウクライナ海外詠です
一段目:原句 炎天や肉屋の前に野良犬ら
二段目:表現を整える 炎天や肉屋の前に野良犬と
三段目:設定を広げる 炎天や影あるところ野良犬と
四段目:違った物と取合せる 炎天や踊る野良犬恋人も
五段目:見えない世界へ 朝焼けの鋭(と)くたまゆらの犬走る
「野良犬」がキーワードです。一つの句を五つに作り変える対馬先生の独特の作句法です。俳句作法柔軟体操で感心しました。(亨)