かるがも俳句会 平成28年4月21日(木)、石神井庁舎会議室
- 両脇に父母従へる入学児
- 熊谷 良子
- とびきりの笑顔真顔の入園す
- 宮田 敏子
- 命あらば又逢ひましょう桜花
- 渡部 良子
- 菩提寺に書留送る春彼岸
- 長束 留美子
- 友とゐて目は初蝶を追つてをり
- 杉本 康子
- 天守とはただ仰ぐもの風光る
- 高橋 武司
- 気が付けば両目になみだ春の夢
- 伊賀 篤志
- 玉砂利を踏みて皇居の花に会ふ
- 馬場 美智子
- ゆるゆると遮断機下りて春灯し
- 戸山 球子
- 春愁されど賑はふ神楽坂
- 鈴木 芳江
- 観音の腰のひねりや風光る
- 堀江 康子
- 高遠は濠の底まで花筵
- 国岡 博子
- 浅草は丼がよし荷風の忌
- 今村 たかし
桜の若葉が青葉に変わりつつある。そんな桜の木を見て毎年思うのだが、あの華やかな花の時期と比べてその後のなんと長いことか。葉が枯れて散った後は、この木があの美しい花をつけたとは気付かれないほどただ静かに北風に耐えている。こんな桜の四季は、なんだか人の一生にも似ているように思われる。待ち望まれ期待されて蕾の時を過ごし、やがて美しく花開くが、それは一時のこと、若々しい緑の葉をつけ、力強い青葉にと変わってゆく。(次回へつづく)(W.良子)