かるがも俳句会 平成28年5月19日(木)、石神井公園区民交流センター
- 転んでも泣かぬ子となり土筆坊
- 森永 順子
- 湯治宿の客は吾のみ葱坊主
- 高橋 武司
- 母の日や妣のブローチつけてみる
- 宮田 敏子
- 廃屋に変わらぬものは藤の花
- 渡部 良子
- 鳥声と夫を呼ぶ声蕨採り
- 柴田 ミチ子
- 開店の友の勇気や風薫る
- 野々村 桂
- 提灯に家紋のありて宵祭
- 馬場 美智子
- ベビーカー稚の足にも夏きざす
- 熊谷 良子
- 母子草はこべと共に刈り取られ
- 長束 留美子
- 瀬戸内の春の祭りや化粧の子
- 杉本 康子
- 坂街の黒塀小道風光る
- 鈴木 芳江
- 笊蕎麦は地酒のつまみ傘雨の忌
- 堀江 康子
- 姫街道ほのかに風の花蜜柑
- 国岡 博子
- 新緑の門に伊達家の竹雀
- 今村 たかし
(前回よりつづく)
豊かに茂る濃い緑の葉となり、雨にも夏の暑さにも台風にも立ち向かい、いつか第二の美しい時の秋を迎える。黄に紅に変化した葉はやがて色あせ風に散ってゆく。しかし、木はすべてを失った訳ではない。内側では、次の季節へ向けての準備が始まっているのだ。桜の木は私達に教えてくれているようだ。残された能力を大切にして今を力強く生きること。これから吸収することだって沢山あるのだ。次世代のために持てる力を使うことは素敵なことじゃないかと。今日も風にそよぐ桜の葉を眺めながら、自分にも何かできたらいいなと考えている。(W.良子)