かるがも俳句会 平成28年4月29日(木)、亀戸天神吟行
- 天神の琴の調べや春の風
- 鈴木 芳江
- 藤房のゆらぎの中の太鼓橋
- 熊谷 良子
- 太鼓橋渡りて百の下がり藤
- 馬場 美智子
- 菅公の肩により来る夏の蝶
- 宮田 敏子
- 藤棚に片方吊され小さき靴
- 杉本 康子
- 楠若葉生き物のごとざわめけり
- 渡部 良子
- 藤まつりツリーのもとに学の神
- 伊賀 篤志
- 青鷺は動かず藤はゆれさわぎ
- 堀江 康子
- 天神の法鼓高打つ藤日和
- 国岡 博子
- 藤ゆれてわれはこの世を右左
- 今村 たかし
今回の吟行は四月二十九日「藤まつり」開催中の亀戸天神でした。参加者は十名。青空の広がる上天気でしたが二三回よろけた程の強風が吹く日でもありました。道中草花が咲き溢れ、有名菓子処には行列が出来ていて、早くも手帳を取り出し、おしゃべりをしながらもしっかり情景を記憶している様子。亀戸天神の藤は350年前の創建時に植えられたと伝えられ藤の名所として広重の絵にも多く描かれています。盛りは少し過ぎていましたが、まだ十分に見応えのある所では休日でもあり写真を撮る人ゆっくり眺める人たちでなかなか進めない程でした。句材は豊富なのに句としてまとまらず、周囲の出店屋台は気になるしと集中できないうちに時間が来てしまい、池袋の句会場へと移動。会場は若者向きの食事処で初めは戸惑ったのですが、どんな状況でも集中するための鍛錬の一つかと納得した句会でした。因みに大して気にすることもなく出句選句をなさっていた方々に敬服しました。(H.康子)