かるがも俳句会 平成28年11月23日(木)、林芙美子記念館・巧運寺吟行
- 遺されし絶筆の軸冬座敷
- 馬場 美智子
- 松二本ありて冬ざれ吉良の墓
- 宮田 敏子
- 君生きし昭和は遠く石蕗の花
- 森永 順子
- ふところの大き男や花八手
- 野々村 桂
- 縁側に初雪みてをり芙美子の居
- 杉本 康子
- 灯籠の苔むす笠に雪つもる
- 熊谷 良子
- 手擦れたるままに芙美子の丸火鉢
- 国岡 博子
- 裸木のぽつんと墓に女声
- 今村 たかし
今回の吟行は11月24日、中井の「林芙美子記念館」および「萬昌院功運寺」でした。参加者は8名。東京で史上初めて11月に積雪が記録された中での吟行になりました。中井駅をおりて、坂の多い街を抜け、急な「四の坂」を雪の中上がると「林芙美子記念館」です。狭い間口のわりに中は広く、昭和十六年の建物にしては整った設備に驚かされます。庭園には芙美子が愛した草木に雪が降り積もる美しい光景に感動しました。芙美子記念館をあとにし、移動した先が「萬昌院功運寺」。偉人の墓が多くある寺で、林芙美子のほか、吉良上野介や歌川豊国などが埋葬されています。芙美子の墓には躑躅の返り花が咲き、吉良上野介の墓には松があります。忠臣蔵のことを考えると、松には違和感を覚えました。弱くなった雪の中、句会場となる「木曽路」に移動。美味しい食事に気分も高揚しました。雪の中でしたが、貴重な体験ができ、楽しい句会でした。(敏子)