かるがも俳句会 平成27年7月16日(木)、石神井庁舎会議室
- はつ鮎を手網におどらせ朽木谷
- 伊賀 篤志
- 山の湯に鮎の開きのひとあぶり
- 高橋 武司
- 老猫の眠りは深く梅雨の雷
- 森永 順子
- 百歳を祖母の目指して端居かな
- 飛田 由子
- 梅雨晴間産衣真白に光満つ
- 宮田 敏子
- ざるそばに決めてくぐりし麻のれん
- 馬場 美智子
- 水静か心しづかに蓮の花
- 鈴木 芳江
- 車内にはスマホの奴隷大夕焼
- 野々村 桂
- みづたまり夕焼雲を染めあぐる
- 熊谷 良子
- シーツ干すベランダに熟れミニトマト
- 柴田 ミチ子
- 亡き夫と心通はす天の川
- 堀江 康子
- 月下美人ひらくに重さありにけり
- 国岡 博子
- 大西日屋根に動かぬ風見鶏
- 今村 たかし
三月の末から約二十日間をかけて、四国遍路の旅に行ってきました。二度目の遍路です。本来歩いてこその遍路ですが私にはもうそれだけの体力はなく、車を有明埠頭からフェリーに載せ徳島まで渡りました。一番札所霊山時で白衣、納経帳、納札を求めました。白衣は遍路の正装束、納経帳は札所で読経を唱えた証、納札は本堂、大師堂に納めます。いよいよ八十八ヶ所の一歩を踏み出しました。阿波、土佐、伊予、讃岐の四か国を巡ることになります。歩いて巡ったら早くて四十五日、長ければ六十日はかかります。大変なことです。しかし多くの遍路は歩いて巡り、車で巡るものはむしろ少数派です。歩いてこその遍路なんです。四国を曼荼羅図のように右回りに巡ります。大変な難所もあります。数百段の石段を登るところもあり、足萎えの私にはとても無理で、四ヶ所ほど代参を頼んだりもしました。やっと十七目に最後の大窪寺にたどり着きました。結願です。石段を下りると、茶屋のお婆さんが「ようお詣りでした」と声をかけてくれました。感無量のものがありました。その足で徳島に出て、和歌山に渡り高野山を目指しました。高野山は弘法大師空海が創建したもので今年は創建千二百年に当たります。早速奥の院にある空海の御廟に詣でました。感無量、めぐりきった達成感で一杯でした。(たけし)